アジアの芸術史 造形篇Ⅱ 朝鮮半島・西アジア・中央アジア・インド
編者:金子典正
この本も仏教美術を中心に書かれているのだが、古代朝鮮半島についてのことが古代史ファンには面白い。新羅の古墳の起源は、黒海沿岸から南シベリア、アルタイ地方に散在するスキタイ系だという。また埋蔵品からも黒海付近のサルマトゥの女王墓出土の金冠と同じ形式だという。これを仏教との関連でみると、「NHKテレビテキスト趣味Do楽 薮内佐斗司流 ほとけの履歴書」から引用すると
「飛鳥時代に日本に伝わった仏教は北魏から北ルートで朝鮮半島の新羅を経て河内(現在の大阪府東北部付近)に住む渡来人の秦氏に伝わったものと、長江流域の六朝から百済を経て飛鳥の蘇我氏に伝わった南ルートのものと、二系統が考えられます。前者は弥勒信仰に代表される仏教であり、後者はお釈迦様と観音信仰の仏教です。」(以下後日に続く)