kiyomizuzaka48の日記

一日一日を楽しく暮らしている老人の暇つぶしです。使用しているカメラはZ50ⅡとZ6ⅢとCOOLPIXーW300です。適当に撮って楽しんでいます。

モンゴル映画

セールス・ガールの考現学

2021年モンゴル

監督:センゲドルジ・ジャンチブドルジ

俳優:バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル、エンフトール・オィドブジャムツ

 

民博で上映される映画なので民俗学に焦点をあてた映画だろうと思って観たのだが、ニューヨーク・アジアン・フェスティバルでグランプリに輝いた作品だそうだ。私個人としては、ドラマの途中で歌が入る、バスのなかで単なる乗客だと思っていた人物が歌いだすといった演出は、戦後の日本映画で、小林旭美空ひばり三橋美智也などが出演している映画によくあるパターンに思えた。

主人公は母親の希望で大学で原子力工学を学んでいるが、授業中も家に帰ってからも絵ばかり描いている画家を夢見る女の子。ある時、大学で知り合った女子学生から、アダルトグッズショップでのアルバイトを押し付けられる。そこのオーナーは元クラッシックバレーの有名なバレーリーナでロシア語が堪能な女性。彼女からいろいろな体験をさせられるうちに、主人公の女子大生は自分の進みたい道へと踏み出していくという物語。映画のエンドロールなどロシア語のキリル文字が主だが、物語の背景であるウランバートルにはキリル文字と英語が入り乱れている。例えば少女の働くアダルトグッズショップはキリル文字とともに「SEX SHOP」と書かれている。私の英語力ではわかりやすいのか正しいのかどうか首をひねる。

性表現では男女のからみなどないのだが、少女が公共バスの窓ガラスに、ゴム(シリコン?)のペニスを貼り付けたり、少女が彼氏のペニスにコンドームをはめようとしているうちに、彼氏が発射してしまって精液が天井に貼りついてしまうところなど、そのものずばり見せなければ許されているようだ。少女の裸も水の張った風呂場で真上から撮って、水のために微妙に歪んだ乳房が写されていたが、全裸シーンではしっかりと手ぶらしていたので、日本よりは規制が厳しいのかもしれない。

せっかくの民博映画なので、島村一平教授のレジュメから少しモンゴルについて紹介しておく。

1924年、世界で2番目の社会主義国になる。国土の8割が草原の国。

首都のウランバートルに全人口の半分近くの167万人(2021年)が住む。

ソ連の強い影響下(1924年から1992年)になってから地下資源の産出国へ転換する。ウランの埋蔵量は世界一で、核廃棄のことで日本と強い関係を持っている。

もともと歴史的に女性の社会的地位は高い。『三国志魏書』「烏丸・鮮卑」には、モンゴル人の婿は、一定期間女性の里に住んで働く。住む家も財産も妻の家が用意し、財産の管理権は妻にあるという記述がある。現在は国立大の60%が女性。弁護士、医師、教職は60~70%が女性。家族で男女の子供がいたら、女子が優先して大学に行く。男は肉体労働をするから。社会主義時代(1924年から1992年)の初期に女性の選挙権や被選挙権、男女の労働機会均等が実現。ただ家庭では家事のことで子供の負担が大きい。父親が「おーいお茶」と言ったら子供がお茶を出す。

ウランバートルの店には韓国の品物が溢れているなど、韓国のポップカルチャーの影響が大きい。主人公の少女の周囲の女性は、私たち日本人になじみの平たい大きな顔が多いのに、主人公は小柄でスリムで小顔な多部未華子のような風貌をしているのも、現在のモンゴル女性を表しているということなのかな。

今まで知らなかったモンゴルを発見した。