




展覧会「水織」
写真・詩:鶴田真由
調香:沙里
この写真だけでは、どうもよくわからないので、月刊誌「フォトコン」10月号の記事を引用する。
ーー鶴田さんにとって写真は自分を表現することのできるツールというわけですね。
鶴田 そうですね。今、一緒に展覧会をやっている調香師の沙里さんが「写真は波長を語り、香りは記憶の粒子を手繰る」という表現をしていたのですが、光を撮っているところに香りが入ってくることによってより深淵なる世界へとはいっていけるのも魅力です。
眼で感じる世界に鼻で感じる世界を加えると深みが出るということであればなんとなくわかるのですが、それらを言葉で表現されるとわからなくなる。「写真は波長を語り」で、もう思考停止してしまう。フォトコン10月号では鶴田真由自身の写真と言葉(詩)がある。
地球誕生物語とその最期
海はその全てを包括する
私の場合はこの言葉を詩的ではなく、科学的な言葉として理解してしまうので、ますます頭が混乱する。過去に読んだ「地球46億年気候大変動」横山祐典(講談社)や「土と生命の46億年史」藤井一至(講談社)からの知識を思い出そうとする。とくに地球最後という言葉では赤色巨星になり膨張した太陽に飲み込まれる状態をイメージするので、なぜそこで海がでてくるのだろうなんて考える。
私は今年の写真展で、写真展を見に来た人が私の作品を観て「こういう写真を見るとほっとするね」ということを言っているのを聞いて「これだ!」と思った。性格的には子供の頃からかなりひねくれていたように思うのだが、私の作ったもので人をほっとさせることもあるのだ」と驚くとともに、これからはできるだけ言葉に頼らない作品を作ろうと思うようになった。作品を作るといっても、1年に1度「大阪写真月間」にお祭りに参加する気分で出すだけなのだが。
Z50Ⅱ ZDX16-50mm f/3.5-6.3VR