kiyomizuzaka48の日記

一日一日を楽しく暮らしている老人の暇つぶしです。使用しているカメラはZ50とZ6とCOOLPIXーW300です。適当に撮って楽しんでいます。

風の谷のナウシカ

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私はアニメでしか「風の谷のナウシカ」を知らなかった。人類による環境破壊が進んだ未来での話で、ラストはナウシカの自己犠牲という、日本人のだいすきな行為によって人類が救われる話だったと思うが、コミック版ではまるで違う話になっている。たぶん、アニメは興行的に成功させるためのストーリーにして、コミック版で宮崎駿の本心が表現されているのだろう。

人類は人類自身が破壊した環境から自分たちを守るための装置・システムを作った。人類の身体さえも作り替えた。そして環境が浄化されたのちに再び世界を再建する装置と知識をある建造物に保存していた。しかし、ナウシカは千年前に造られ生きてきた浄化のための神のような存在に宣告する。<清浄と汚濁こそ生命だ>と。苦しい世界に生きているからこそ喜びがあるという。そして自分たちの運命は<この星がきめること>、<いのちは闇の中のまたたく光だ><すべては闇から生まれ闇に帰る>、<お前たちも闇に帰るが良い>と、千年前に造られた世界を再建するための装置を破壊する。

私が何より感銘したのは<生きることは変わることだ>という言葉。

ここまで表現した宮崎駿は凄い作家だと思った。

※この記述の中で<>で囲まれた文章は、「風の谷のナウシカ7巻」(宮崎駿:作、徳間書店)から引用しました。