円空の彫った仏像は5400以上と言われているのに、円空自身の資料があまり残されていない。それは彼が山岳修験者として活動しながら、仏像を彫っていたからもかもしれない。この円空展の図録での「ごあいさつ」では
と書かれているが、貴族のための壮麗な威厳に満ちた仏像ではなく、円空が宗教活動をする対象としての常民のための仏像だからこそ、当時の多くの人びとだけでなく、現代人にも親しまれる仏像なのだと思える。
下には、龍谷ミュージアムでの東北の仏像・神像展のチラシを載せておくが、これらの仏像や神像は、仏師などの専門家ではなく、木こりや大工などが彫った物が多いそうだ。