kiyomizuzaka48の日記

一日一日を楽しく暮らしている老人の暇つぶしです。使用しているカメラはZ50とZ6とCOOLPIXーW300です。適当に撮って楽しんでいます。

地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか

地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか

著者:宮原ひろ子

発行所:株式会社化学同人

 

私は中学生時代に学校の図書館で恐竜や考古学の本を夢中で読んでいたからか、現在の「CO2による地球温暖化による地球の生態系にとって絶滅的な環境破壊」ということがうまく理解できず困惑している。またそうした論調が純粋な科学的な見地から語られている環境問題ではなく政治的立場から問題になっているような気がして、毎日TVニュースで刺激的な言葉と映像で語られる温暖化について首を傾げている。昔はそれ自体の重さのため年々下っていく氷河の当然の帰結として海に崩れ落ちる映像が、温暖化による氷河の崩壊の象徴になっているのは何故なんだろうかと思う。環境問題に無関心ということではない。ゴミは分別して捨てている。私の知識が現在の話題についていけないだけ。そこで政治的な問題には触れずに科学の問題として地球環境について書かれていると思われる本を読んだ。科学ならば少しは理解できるかもしれない。

地球の古代の環境については様々な方法で調べられている。ここでは宇宙線銀河宇宙線)が詳しく説明されている。銀河宇宙線と気温については有力な説はまだないようだが、宇宙線量と気温について正確に調べると関係がありそうだということだ。そこでこの本の資料の「表5-1宇宙線変動の大まかな時間スケールとその要因」を書き写してみる。

時間スケール       変動要因

数億~数十億年周期    スターバースト

1.4億年周期      太陽系が銀河の腕を通過

6000万年周期     太陽系が銀河円盤をアップダウン

1万~数百万年周期    地磁気変動

(2万、4万、10万、40万年 ミランコビッチ・サイクル)

1000年、2000年  太陽活動の長周期(極小期の頻発)

200年周期       太陽活動の長周期(極小期の発生)

11年、22年周期    太陽活動周期と太陽磁場反転

27日周期        太陽の自転周期にともなう変動

 

スターバーストは『星の爆発的形成』。 

地磁気変動とは地磁気は絶えず変動していて一定していない。過去には反転していたこともある。また反転しかけてもとに戻るという「地磁気エクスカーション」という現象もあったようでかなり複雑な動きをしている。磁気が反転すると地球の磁場は10分の1程度になるといわれ、4万年ほど前の「地磁気エクスカーション」の時は磁気の強度が数千年にわたって3分の1程度に弱まった。磁気が弱まると地球に届く銀河宇宙線量が増えるので地球上に様々な影響を与える。

太陽系が銀河の腕を通過するとは太陽系全体が銀河の中を絶えず移動しているということ。銀河の腕ではたくさんの恒星が死を迎え超新星爆発を起こしているので、たくさんの宇宙線が地球に届き影響を与える。また最近恐竜の絶滅原因として、太陽系が天の川銀河の腕の暗い部分(塵やガスが密集する分子雲がある)に入り込んだために地上に降り注ぐ太陽光の量が減って地球が寒冷化したためではないかと言われているが、地球の環境は宇宙規模で考える時代になっている。