増補新装カラー版日本美術史
監修:辻 惟雄
発行所:株式会社美術出版
一番初めの「先史・古墳時代」で青柳正規が美術を楽しむ方法を書いているのでそのまま引用します。
【等伯「松林図」のような優れた作品の前に立って、それを深く鑑賞することである。墨色の濃淡と樹々の大小による空間表現の中にわずかなしかし重要なずれがあり、立ち込めた靄の流れに時の経過を感じることができる。西洋絵画の透視図法とは異なる空間表現の本質を理解でき、やはり西洋の風景画にはない時間性を見出すだけでなく、16世紀日本美術の全貌をこの1枚で把握できるのである】
つまり西洋絵画と日本絵画では空間表現の方法がことなるらしい。しかも西洋絵画にはない時間表現があるということらしい。私の雑記帳には日本画の特徴として次のことが書いてある。出所は不明だがNHK教育TVをみて書いたのかも。
影がない、空間が多いのは日本の家屋に置かれることとを前提にしていて、畳に外光(日光)が反射して立体的な表現になる。外光の変化が(時間)が絵に異なった姿を出す。夜部屋の光で更に変化する。
また西洋絵画についてのメモは
動物には魂も心もない。精密だが解剖学的。自然も所有物や記憶・記録としてある。キリスト教的なストーリー表現。ヨーロッパキリスト教徒にとっては画家は神様の次に世界を作る人。
ロシアのエルミタージュ美術館へ行った時に現地ガイドの説明では「宗教画の動物には必ず宗教的な意味がある」