kiyomizuzaka48の日記

一日一日を楽しく暮らしている老人の暇つぶしです。使用しているカメラはZ50とZfとCOOLPIXーW300です。適当に撮って楽しんでいます。

GAGA:ハヨンの家族

「GAGA:ハヨンの家族」 哈勇家

2022年 台湾

監督:ラハ・メボウ

俳優:ウィラ・ノミン、カガウ・ビリン

みんぱくワールドシネマ

 

現代の台湾にかんして、国立民族学博物館教授の野林厚志のレジュメから引用すると、土地の所有にかんしては当事者の話し合いとコミュティの合意で行われてきたが、国家による測量と登記による管理という文字による管理がおこなわれるようになってきた。慣習的首長と行政上の首長がいるということだ。

 台湾の先住民族オーストロネシア語族に属する言語を母語とする複数の集団で、人口は59万人(台湾全体の2~3%)。日本統治時代は高砂族と呼ばれていた。台湾政府から16に民族集団が認定されている。台湾を南北に貫く中央山脈の近傍と東部の低地、さらに東部にある蘭嶼島に住んでいる。生業は狩猟、焼き畑農業、漁労。太平洋上に拡散した人たちは台湾からフィリピンに拡散した人たちが源流という説が有力視されている。

タイヤル族はそうした原住民族の一つで、核家族を基本的な生活としている。

監督はこのタイヤル族出身の女性で自分たちの日常生活を知ってほしいという想いでこの映画を製作した。キャストの多くは原住民らしい(?)

「ガガ」とはタイヤル族の古来から受け継がれてきた文化・風習のようなものかな。よくわからないが精神性のようなようなものだと思う。

宗教的にはもともとアニミズムなどであったようだが、日本統治時代に神道が持ち込まれ、戦後はアメリカなどから大勢のキリスト教伝道師が入り込んで布教したため、キリスト教を信仰する人もいるらしいが、映画にでてくるキリスト教はかなり現地流にアレンジされているのと、基本的には先祖の供養を大切にするなど伝統的な宗教観が根強いように感じた。

映画は大陸からやってきた人たちの中国語(その中でも北京語ー普通語以外に福建省などのことばをベースにした台湾語がある)が多く使われているが、原住民族はにはそれぞれの言葉がある。とややこしい。この映画で使われているのは、タイヤル語、台湾語、中国語とチラシには表記されているが、タイヤル族若い女性の婚約者(ニュージーランドの大学院で学ぶ中国系)は英語をつかったり、村長選挙の運動の最中に突然老婆が土下座して「ありがとう」という日本語で言ったりと、忙しい内容だった。それが現在の台湾の実情だろうと思う。この映画でタイヤル族若い女性がニュージーランドに留学しているように、かれらは古い慣習や道徳を守る生活をしているが、対外的に閉鎖的ではないことがわかる。このタイヤル族出身の芸能人として、日本でも有名になったビビアン・スーがいる。