広重展
読書
「江戸問答」
発行所:岩波
「江戸はスゴイ」
著 者:堀口茉純
発行所:PHP研究所
私が浮世絵を見るのは、当時の人たちの生活が、絵を通して直感的に理解できるからだ。そして江戸時代の文化をきちんと理解することが、私たち世代の欧米への劣等感を払拭するきっかけになると思う。今もなお、私たちは多くの誤った歴史知識に囚われている。現在放送中のNHK朝ドラでは、男達が威張っている根拠の多くが「明治になってからだ」と女性が言っていたが、江戸時代の文化を知るとなるほどと思う。人口構成比率からみて圧倒的多数の第一次産業に従事する女性たちの多くは市で物を売るなどの形で家の外で働いていたし、専業主婦という言葉は、戦後に使われだした言葉で、それまでは日本で使われなかった。また、離婚についても、三行半の紙切れ一枚で簡単に男から離婚されたというのも嘘で、女性の財産や地位を守るための多くのシステムがあった。さらに、江戸幕府が繰り返し女性に倫理的生活を守れと行ったのは、それだけ女性の不倫が多かったということで、人口構成で圧倒的に男が多かった江戸では、男は女性にあまり威張っていられなかった。こうした知識は堀口茉純のYouTubeで仕入れたのだが、そういう意味では知識を手に入れるには良い時代になった。SNSでは無茶苦茶な嘘も多く出回っているが。